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​一級建築士事務所 バンソウシャ
アンカー 5

GAPのカタチノリユウ

①設計の流れ

 1.設計当初は敷地を最大限に利用するため、建ぺい率と容積率をいっぱい使って計画を進めていました。

  2.しかし計画の途中でクライアントの方で家族会議が行われ、下記のような条件で設計を進めてほしいと要望が提示されました。
    1)敷地に対しての建物の配置はクライアントが設計に指示する。
  2)1Fは全て駐車場とし、駐車台数はできるだけ多く確保すること。
  3)エレベーターは設置せず、4F建てとする。
  4)客層はファミリーを見込んでいるので2LDKとし、入居は春の進学や転勤時期に合わせて完成すること。
   5)予算を抑えること。


 3.上のような条件と敷地を合わせて検討すると、1Fは下駄履きの駐車場で、2F~4Fは1層3世帯、合計9世帯の片廊下型の集合
      住宅
と自然に決まりました。

アンカー 1

調査段階の写真

⇩⇩⇩

施主提示の条件から建築物の規模とある程度の形状が決まってしまったので、自由に設計することは難しくなりました。しかし、その限られた条件の中で私らしい設計を組み込み、機能的で、楽しく、安心して住んで頂く集合住宅の設計を目指しました。では、まず片廊下型の集合住宅とはどのようなプランでしょうか?他のタイプも一緒に確認してみましょう。

アンカー 2

②CHECK1(集合住宅のタイプを知る - 通路の形式で分類)
 
各タイプによりメリット、デメリットがあり、また、敷地条件や予算などによりタイプに向き不向きがあります。一般的には片廊下型が多いので身近に感じると思います。

A : 階段室型
メリット  / 採光、通風、プライバシーを確保しやすいなど。
デメリット / エレベータの設置は効率が良くないなど。
その他   / 主に低中層向き。
 
B : 片廊下型
メリット  / 各住戸の居住性が均等であるなど。
デメリット / プライバシーが確保しにくいなど。
その他   / 主に低中高層向き。
 
C : 中央廊下型
メリット  / 経済的など。
デメリット / 採光、通風、プライバシーを確保しにくいなど。
その他   / 主に中層向き。

D : ツインコリドール型
メリット  / 中央廊下型よりは採光、通風、プライバシーを
​        
確保しやすいなど。

デメリット / 通路面積が大きくなりやすいなど。
その他   / 主に高層向き。
 
E : コア型
メリット  / 採光、通風、プライバシーを確保しやすいなど。
デメリット / 方位、位置によって住戸の居住性が異なるなど。
その他   / 主に高層向き。

片廊下型の集合住宅は私たちの身近にある一般的なプランです。では、その各住戸はどのようになっているでしょうか?今度は一般的な間取りを確認しましょう。

アンカー 3

③CHECK2(一般的な間取りの確認)

上で説明したように片廊下型住宅は各住戸の居住性が均等であるというメリットがありますが、プライバシーの確保が難しいというデメリットがあります。ここでは一般的な2LDKの住戸プランの確認と、どこにデメリットが生じるのか具体的に確認してみましょう。

2LDKのプランでは、
(1)共用廊下沿いの部屋を何にするか、また水周り(浴室、WC)の窓をどうするかでプランがほとんど決定しています。
(2)共用廊下沿いの開口部(窓、玄関ドア)でプライバシーが気になります。
 
※PS(パイプシャフト):上下階を貫通する給配水管、ガス管やメーターボックスなどの配管スペース。各住戸に1箇所は必要です。

ここまでで集合住宅のタイプと片廊下型集合住宅の一般的な間取りやそのデメリットを確認しました。では、そのことを踏まえてGAPの工夫したポイントをご覧ください。

4.共用廊下の手摺を花ブロックでデザイン
 花ブロックという手に入りやすい材料を利用してデザインを行いました。ランダムに配置された花ブロックの穴から夜になると廊下の照明の光がこぼれるます。
(花ブロックの穴は足がかりにならないような工夫もされており、子供にも安心。)

④GAPの工夫ポイント
 
 1.片廊下型集合住宅にクランクアルコーブを設置
 2.共用廊下側の窓に目隠し通風ガラリを設置
 3.プライバシー確保エリアの設置
 

アンカー 4

5.可動間仕切りによる部屋の自由なカスタマイズ
 賃貸する人の家族構成や現代の多様な生活スタイルに対応するように、2LDKをベースに可動間仕切りで室内を好みにカスタマイズ     できるようにプランを行いました。

6.見栄えが良いように、見える配管は全て縦配管。...横引き配管はありません!

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